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高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳考*; 富永 健*
Chemical Communications, (2), p.223 - 224, 1997/00
固液界面に吸着した金属イオンの化学種の構造に関しては、それに適用できる分析法が限られるために、未解明な点が多い。ここでは、初めての試みとして時間分解蛍光法をイオン交換樹脂に吸着したユウロピウム(III)の水和構造の研究に適用した。強酸性(スルホン酸系)及び弱酸性(アクリル酸系)イオン交換樹脂に吸着したEu(III)と、比較のために鎖状高分子のポリスチレンスルホン酸系及びポリアクリル酸系におけるEu(III)の水和数Nを測定した。強酸性樹脂にEu(III)はpH1で吸着され、7N8であった。ポリスチレンスルホン酸系ではほぼ9であるため、この違いは樹脂の網目状の骨格による効果と推定した。弱酸性樹脂にはpH4で吸着され、ポリアクリル酸系と同様に2.5N3.5であった。以上のように、水和数の直接決定により吸着機構の違いを定量的に証明することができた。
玉井 聡行*; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一; 西井 正信; 貴家 恒男; 橋田 勲*; 水野 一彦*
Chemistry of Materials, 9(12), p.2674 - 2675, 1997/00
被引用回数:18 パーセンタイル:62.4(Chemistry, Physical)石英基板上に作製したポリ(4-トリメチルスタニルメチルスチレン)フィルムにマスクを通してKrFレーザー光を照射し、キシレンで現像すると架橋反応による不溶化高分子のネガ型パターンが得られた。このパターンを電気炉中500C、2時間熱分解を行うと100nm厚の二酸化スズのパターンが得られた。パターンの大きさは熱分解前後ではほとんど変わらないことが原子間力顕微鏡観察により確認された。二酸化スズ薄膜の熱分解による形成は、未照射フィルムでは起こらないことが示され、現像工程を省いた場合でも二酸化スズのパターンが作成された。このことは高分子の熱分解による二酸化スズ薄膜形成において、二酸化スズ前駆体が架橋構造に閉じ込められることが必要であるものと考えられる。
玉井 聡行*; 橋田 勲*; 一ノ瀬 暢之; 河西 俊一; 井上 博夫*; 水野 一彦*
Polymer, 37(24), p.5525 - 5528, 1996/00
被引用回数:17 パーセンタイル:58.99(Polymer Science)ポリ(4-トリメチルシリルメチルスチレン)(PTMSMS)のスピンコートフィルムの低圧水銀灯(254nm)、KeFレーザー(248nm)による紫外線照射を行ったところ、いずれの光源によっても表面にカルボキシル基が生成し親水性表面を与えた。また、フィルム内部では架橋反応が進行し、照射部分が不溶化した。一方、ポリスチレン、ポリ(4-メチルスチレン)では照射により親水化反応が起こったが、フィルムは易溶化した。これらのPTMSMSの光反応性は励起状態におけるC-Si結合の開裂が主鎖ベンジル位のC-H結合に対して優先することに起因することが結論された。フォトマスクを用いてPTMSMSの親水化反応、架橋反応のマイクロパターニングを試みたとろ、KrFレーザーを光源とした場合において数マイクロメートルのパターンが容易に得られた。これはレーザー光が高い指向性をもつためと考えられる。
S.B.Samat*; 大井 義弘; 滝 光成; 間辺 巖; 吉田 真; 南 賢太郎
JAERI-Tech 95-010, 51 Pages, 1995/03
現在、Ge半導体検出器の校正は気泡セメント線源を用いている。この線源の作製には、ある程度の熟練を要するため、異なった密度を持つ校正用線源の作製を検討すると共に、形状、組成及び密度に関する検出効率の特性、線源の調整方法の再現性等を調査した。気泡セメント、液体、ビーズ(ガラス:6mm、2mm、発泡ポリスチレン及び硬質プラスチック)の5種類の材料を使用し、密度、高さをパラメータとする3組の線源を作製した。これらの線源をHpGe検出器を用いて測定した。その結果、全ての線源の測定値には再現性があり、調整方法の妥当性を確認することができた。低エネルギー側では、組成の違いにより検出効率が変化するため、その組成を十分考慮する必要があること。100keV以上の線では気泡セメントと良く一致し、密度の異なる校正用線源として使用できる結果が得られた。
青木 康; 南波 秀樹; 細井 文雄; 永井 士郎
ACS Symposium Series, 579; Polymeric Materials for Microelectronic Applications,Science and Technology, 0, p.45 - 50, 1994/00
簡易イオンビーム発生器(200keV)からのHeイオンを照射中に、ポリスチレン、ポリ(2-ビニルナフタレン)ポリ(N-ビニルカルバゾール)からの光を光ダイオードアレイヌは光電子増倍管を用いて、分光分析した。上記の芳香族フィルムからの発光は、照射直後から観測されるエキシマー発光の他、ポリスチレン、ポリ(2-ビニルナフタレン)についてはイオンフルエンスが10(ions/cm)から10(ions/cm)にわたって生成してくる新しい発光が得られた。モノマー発光は得られなかった。新しい発光については、その生成速度がエキシマー発光の消滅速度と一致し、イオントラックの重なりにより起こる現象と考えられる。
小林 雅道*; 吉岡 俊典*; 小笹 健仁*; 田代 孝二*; 鈴木 淳市; 舩橋 達; 和泉 義信*
Macromolecules, 27(6), p.1349 - 1354, 1994/00
被引用回数:44 パーセンタイル:84.8(Polymer Science)幾つかの有機溶媒中に分散したシンジオタクチックポリスチレンの物理ゲルの分子凝集構造を中性子小角散乱により観測した。散乱曲線はフラクタル構造からの理論曲線によりフィッティングされ、相関長、フラクタル次元が決定された。散乱曲線は、溶媒により大きな変化を示し、クロロホルム中性子のゲル構造はオルトジクロロベンゼンやカーボンテトラクロライド中の構造と異なることが明らかとなった。これはクロロホルム中では高分子のTTGG構造の存在が他の溶媒中と比較してはるかに少ないことを意味する。
和泉 義信*; 片野 進; 舩橋 達; 古坂 道弘*; 新井 正敏*
Physica B; Condensed Matter, 180-181, p.539 - 541, 1992/00
被引用回数:12 パーセンタイル:59.53(Physics, Condensed Matter)二硫化炭素中のアタクチックポリスチレンの分子形態を中性子散乱によって、170Kから300Kまでの温度範囲でしらべた。温度が低くなるにつれて、分子鎖の振舞は枝分かれした高分子間の結合が増加して行くことを示すようである。この結果は、この系のゾルーゲル転移の原動力と重要な関係がある。
和泉 義信*; 片野 進; 舩橋 達; 古坂 道弘*; 新井 正敏*
Physica B; Condensed Matter, 180-181, p.545 - 548, 1992/00
被引用回数:12 パーセンタイル:59.53(Physics, Condensed Matter)二硫化炭素に溶解したアタクティックポリスチレン(aPS)のゾルーゲル転移を中性子回折によってしらべた。実験は、通常のaPS(aPSH)、重水素化aPS(aPSD)及びその混合物について稀薄領域と半稀薄領域の小角散乱の温度変化をくわしくしらべて行った。稀薄aPSDは室温では単純な鎖状分子の溶液であるが、低温では分枝点が多数生じ、最低温の170Kでは粒子間の干渉性散乱まで見られる。半稀薄領域の場合には、鎖の運動が近傍する鎖によって大幅に抑制されているなどの結果が得られた。これらの結果と、広角での回折を総合すると、ゾルーゲル転移はaPSと二硫化炭素の間の特別の相互作用を通じて、鎖間の結合が生じることによって発生していると考えられる。
小島 拓治
Isotope News, (395), p.6 - 7, 1987/00
アラニン線量計の実用化では、均一に再現性良く量産可能な素子と簡便で高精密な専用測定器との一体化を図ることが重要である。本報告では、・X線の高線量精密測定用として製品化を行ったポリスチレンで成形したアラニン線量計素子とその線量計基本特性、専用測定器の検討、実用線量計およびトランスファー線量計としての応用などについて述べる。線量測定可能な範囲は1-10Gyと広く、精密度は1%以内とこれまでの固体線量計にない最高レベルである。また専用測定器として、永久磁石を利用した小型のESRを用い、コンピュータ制御による自動測定システムの開発を行っている。これにより、読みとりの精密化と高速化が進められている。アラニン線量計は、放射線プロセスの品質管理用、放射線場での劣化診断等の実用線量計として、線量標準化の新しい手段としての応用が期待される。
小島 拓治; 田中 隆一; 森田 洋右; 瀬口 忠男; 吉田 健三
JAERI-M 86-137, 21 Pages, 1986/09
アラニン線量計は、放射線によってアラニンに生じるラジカルを電子スピン共鳴を用いて測定し、線量測定を行なう方法である。ガンマ線の高精密線量測定を目的として、ポリスチレンを用いて成形したアラニン線量計(PS-アラニン線量計)を開発した。PS-アラニン線量計の有効測定範囲は5~10Gyであり、50~510Gyでは線量に正比例し、線量応答のばらつきは10~10Gyで1%以内、5~10Gyで2%以内であった。また、線量応答は照射中の温度に依存するが、その温度係数は-40C~+50Cで0.29%1Cであった。通常の保存条件下(25C,湿度60%)では、照射後の線量応答は極めて安定しており、高温での加速試験から2%減少する期間は4年間と推定された。
江草 茂則
Journal of Colloid and Interface Science, 86(1), p.135 - 143, 1982/00
被引用回数:9 パーセンタイル:39.93(Chemistry, Physical)ストップド・フロー法によってコロイド粒子の粒子径を簡単かつ迅速に測定することを試みた。その結果、コロイド粒子が急速凝集する動力学的挙動からそのコロイド中の全粒子数を求めたのち、コロイド中の固形分の量をその粒子数で割ることにより粒子のサイズを見積ることができた。この計算に必要なデータはすべて、急速凝集と光散乱に関する理論から得ることができた。この方法の有効性は、粒子径が既知の単分散ポリスチレンラテックス(粒子径:0.054~0.765m)を用いて確認することができた。さらに、この方法を単分散でないコロイド粒子径に適用した場合には、重量平均粒子径に近い平均粒子径が得られることが経験的にわかった。